歯の外傷

小児科医から見た乳歯外傷

小児科医から見た乳歯外傷に対する考え方

乳歯の外傷に関する小児歯科学会及び神戸市幼稚園、保育園の担当歯科医師に対しての講演の一部を紹介しています。

乳歯が外傷しやすいところはどこか

受傷しやすい年齢は1~3歳の、運動能力が低い時期です。そして受傷しやすい部位は上あごの正中部、つまり顔の中央に近いところのケガに集中します。

受傷の原因は、転倒・転落で、その際に顔を打ち付けるケースが多くあります。ときには物をくわえた状態で転倒し、より重篤な障がいを受けることもあります。

乳歯外傷の特徴について

低年齢のお子さまに多く見られ、ケースによっては外傷があったことが自覚できず時間が過ぎてしまう場合があります。後日、歯の色が灰色になり、レントゲンで偶然見つかることもあります。歯がぐらつくなど異常が見られる場合はすぐにご連絡ください。

乳歯外傷の症例

歯根破折は様子を見ることが多く、歯冠破折は場合によって神経の治療になります。

脱落はもとの状態にもどし頑張ってワイヤーで固定しますが、あまりにも時間が経っている場合はむずかしいケースもあります。陥入はそのまま様子をみる場合が多いですが元の位置にもどすこともあります。 脱臼はワイヤーで固定して様子をみる場合が多いです。

歯が割れています。神経も出ているため、神経の治療を行って歯の形を造ります。

歯が灰色となっています。場合によって神経の治療をしますが このまま様子をみるケースが多いです。

歯の根の部分が横に割れています。 このまま様子をみて場合によって固定等を行います。 私の経験では永久歯は99%普通に萌出してきます。

歯のひび割れの診断のむずかしさをあらわしています。 その時、問題ないようにみえても後日ひび割れがわかる時があります。

左側の乳歯を元の位置にもどしてワイヤーとレジンでとめています。

このケースは内側へ歯がのめり込んでいるのを元の位置に もどしてワイヤーでとめました。 一年後にどうしても神経治療をしなくてはならなくなりましたが スムーズに永久歯が生えてきています。

前歯の外傷のお子さまは何回もおなじ所を再外傷することが多いです。

外傷のケースの一例です。内部で歯の根も割れていますが 永久歯はスムーズにはえてきています。

永久歯のケースです。右側の永久歯の神経治療を 行っています。その後プラスチックで元の型にもどしました。

このケースも神経の治療を行っています。前述のケースは部分的な神経の治療です。 このケースは歯の根の先まで処置を行っています。

斎藤小児歯科で行った外傷に関するアンケート調査

2007年6月から2008年5月までの1年間、斎藤小児歯科に来院された外傷患者150名を対象としたアンケート調査を行いました。

  • 患者の性別や年齢
  • どこで:保育所、幼稚園、学校、外出先、家、室内か屋外か
  • どうしたか:転倒、転落、衝突、相手と衝突
  • 受傷日時
  • 受診日時
  • 応急処置:口を洗う、冷やす、止血、歯牙持参
  • 受診理由:近く、かかりつけ、紹介、調べて、評判
性別と年齢

150名中 男性が92名、女性が58名で受診者の平均年齢は4.8歳でした。これはもともと当院にて定期検診を受けられている患者が多かったためと思われます。

外傷場所と外傷理由

外傷場所は、家・外出先・学校の3箇所でほぼ同じ割合でした。屋外39%に対して室内56%という結果になりました。外傷理由としては転倒が圧倒的で72名48%。続いて衝突27%、転落11%と続きます。

乳永久歯別と主症状

外傷者の平均年齢が低かったこともあり、乳歯が71%、永久歯24%となりました。その主症状は歯がぐらつく動揺が26%、歯牙破折25%、痛み15%、出血13%でした。

来院までに行った対処と当院選択の理由

応急処置は、洗口・冷やす・止血などがそれぞれ20%足らずで全体の52%は何もせず来院されていたケースでした。また当院選択の理由としては、かかりつけだからという回答が67%と最も多い結果でした。外傷者は初診でも、兄弟姉妹がかかりつけだった例も多くありました。

受診・外傷の曜日や時間帯

受傷時間は午後が圧倒的で81%でした。受傷から受診まで当日中に来院されるケースが52%、2日目の来院が19%となりました。これは斎藤小児歯科の休診日も関係していることも考えられ、休診日明けの月曜・金曜の来院が多い傾向にあります。

歯の外傷について

急患として当院ではすみやかに対応します。乳歯の外傷は1~3歳児の受傷が多く、ほとんど上のまん中の歯です。

まず、お願いがあります。いつどこで、どのように受傷したか、分かる範囲で私に教えてください。永久歯はできるだけすぐに受診してください。

歯が取れた時は、ミルク・ポカリスエット、どうしてもなければ水にひたしてください。口に含んできてもOKですが、絶対に拭いたりして乾かさないでください。

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